一羽だけのアヒルと誰もいない公園

近所の池にいった。
標高五百メートルくらいの山の上にかつての寺の跡があり、寺の跡が公園になっている。
池はそこにある。

夕方に訪れたのだが、人は誰もいない。
この公園に何度か通ったことがあるけど、人に出会うことは珍しい。

その池に、アヒルが一羽いた。
誰もいない夕方の山の上の公園の池。
アヒルは一羽だけなのだけど、ガアガアと鳴いている。

なぜアヒルは鳴いているのか?
他に仲間とかいればコミュニケーションしているのかもしれないけど、そういうわけではない。

誰もいない部屋では、人はあまりしゃべることはない。
アヒルも同じだとすると、アヒルは僕を気にしているのだろうか。

おい、じゃまだ。とか。
ごはんくれ。とか。そんなことをいっているのだろうか。

しばらくすると、ガアガア鳴きながら、向こうに行ってしまった。
このエントリーをはてなブックマークに追加