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1月, 2018の投稿を表示しています

家とその土地の空気感から感じる人のありよう。スロヴァキアの村をゆっくり走るバスで感じたこと。チェコ旅徒然日記 11

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ニトラの次に向かうは、ハンガリーとスロヴァキアの国境の町・シュトロヴォ (以下、Sturovo) 。 ニトラからSturovoへ行き方は2つ。一つはローカルバスを乗り継ぐ方法。もう一つは列車を乗り継ぐ方法。列車は特急もあるのでバスより圧倒的に早いのだけれど、今回僕が選んだ方法はローカルバス。 プラハからここまでの移動はすべてバス。これまでは長距離バスだったけど、今回はローカルバスです。 ニトラのバスターミナルを出発したローカルバスは、少し進んでは停まるを繰り返し、やがて町を出ました。 町の外にはゆるやかにうねる平原、畑、ときどきポツンと立つ木、そんな風景が地平線までつづいています。チェコに来てから今日まで数日にわたるバス移動。その間、集落、平原、そして集落、という繰り返しがつづいています。それを眺めつづけても全然あきないし、まだまだ眺めていたい。 とある村にて、小さな家が並んだ通りにバスは入りました。長距離バスよりゆっくり走るバスは、あたかも村の時間と歩調をあわせているかのようです。 ニトラのバスターミナルからバスに乗ったあの人がバスを降りました。この通りに流れるゆったりした時間、大きな庭、小さな家、向こうに広がる平原。 あの人はここで暮らしているのかもしれません。住まいとその土地の空気感からは、長い年月をここで暮らし、過ごしている人のありようの一片が感じられるよう。 やがて、バスはSturovoに到着。さて、この町には何があるのでしょう。 (2018/1/1~2018/1/10の旅行記です) ------------------------------------------- ※Twitterにて、ブログ更新情報をお知らせ致します。 Twitter(お気軽にフォローどうぞ) http://twitter.com/momoyururi ※Instagramにて、「気になる日常的旅写真」を紹介しています。 Instagram(お気軽にフォローどうぞ) http://www.instagram.com/momoyururi/

こんな夜もあるさ。スロヴァキア・ニトラのゲストハウス Nitra Glycerin Hostelに滞在してみたら。チェコ旅徒然日記 10

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こんな夜もあるさ。 スロヴァキア・ニトラでは、ゲストハウス・Nitra Glycerin Hostel (以下、Glycerin)に滞在。Glycerinはできてまだ2年くらいで、とてもきれい。ドミトリーの1人あたりのスペースが広くて、朝食もついて、とても快適。滞在時の雰囲気と併せて、Glycerinを紹介します。 施設の紹介 Glycerinがある場所は、バスターミナルまたは鉄道駅からは、距離は2kmくらい。片道2車線ある街道から少し入った工場地帯にあります。 施設は3階建て。白が基調の内装は、シンプルでとてもきれい。一階は、受付、コミュニティスペース、キッチン。キッチンは、宿泊者も使用可能です。コミュニティースペースにあるのは、ミニビリヤード台、大型テレビ、ソファー。家庭のリビングのような雰囲気です。 2、3階は宿泊用。3階にあるドミトリーは6人部屋。6人部屋は広々していて、かなりゆったりしています。共有の洗面台、シャワー、トイレは、それぞれ2つありました。 宿泊代には朝食が含まれています。フルーツやハム、チーズなどを自分でパンにサンドしたサンドイッチなどが朝食のメニュー。スタッフの方々は、僕のつたない英語にもていねいに対応してくれました。 滞在時の雰囲気 キッチンの壁に貼ってあったのが世界地図。訪れた人が住んでいる国をピン留めしてあります。ヨーロッパの人が多くて、日本からも何人かいて、グリーンランドの人もいます。 きれいな話ではないのだけれど、子供の時、世界地図が家のトイレに貼ってありました。トイレに入ったら、あきることなくずーっと眺めて、この道はどこに繫がっているのか、ここはどんなところなのかと想像していたのが世界地図の思い出。 夜のコミュニティスペースの雰囲気はどんなだったかというと、あいにくゲストの数が少なかったせいか、利用している人はいません。 同部屋のゲストさんは、僕がチェックインした際、ベッドに座りパソコンで動画を観ていて、その後も、会話も交わすことなくひたすら動画を観ていました。 夜、WiFiのパスワードがわからない僕はパスワードがどこかに書いていないか探していたら、僕は何も言ってないのに、彼はいきなり

カラフルな団地が楽しい気持ちにさせてくれて感じた少しだけ豊かな暮らしにする可能性。スロヴァキア・ニトラで感じたこと。チェコ旅徒然日記 9

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ブルノの次に目指したのはスロヴァキアの町、ニトラ。移動はバス。僕にとっては、このバス移動がはじめてのヨーロッパでの国境超えです。国境を越えるとき、何かしらあるのかなと想像していました。果たして、まったく何事もなくて、少々拍子抜け。 ニトラの人口は約7万人、丘がつらなる町並みがあるそうです。ニトラに訪れようと思った理由は、”まさに 観光地”というわけではなく、景観がよさそうで都市でもない普通の町そう、という感じです。 ニトラ城からの眺め 旧市街の街並み 旧市街の街並み 旧市街の道路 さて、普通の町とはいったけれど、9世紀にニトラ公国が建てられ、旧市街には歴史的な町並みがありました。ニトラの旧市街と大都市プラハやブルノの旧市街とはおもむきが一味違います。人の数が少なく、地元らしき人々がのんびり散歩していたりおだやかな雰囲気。高台にあるニトラ城からの眺めは、遠くの丘に広がる町並みを一望できます。 どこにでもありそうな企業 街道沿いの中古車ディーラー 旧市街の外は、庭が大きい住宅が並んでいました。街道沿いには、大きくて新しいショッピングモールや中古車ディーラーなど、普通の暮らしを感じます。 カラフルな団地 そして、おっいいな、と思ったのが派手すぎないカラフルな”普通”の建物。その建物は、中世の趣がある建物というわけでなく普通の民家や団地。 ところで、オランダでは新しく建物を建てるには、街の雰囲気に調和しているか行政の指導があるんだそう。他の国でも似たようなことをしているかもしれない、とオランダ人の出会った人から聞いたことがあります。もしかしたら、コンクリートむき出しの団地や調和を考慮していない家だと審査に通らず、審査に通るために色調をまわりに調和させているのかもしれません。 審査があるからか、それとも、したいからしているのか、動機はわかりません。動機はさておき、単なる団地や家を、色調をまわりに調和させカラフルにするだけで、ちょっと気持ちが高まって楽しい気持ちになりました。そこに暮らす本人、そして、町に暮らす人も同じような気持ちなのかもしれません。 そんな気持ちになることは、住まいや町並みに限らないはず。自分とまわりの人がちょっとだけ楽しくなるような、自分が無理なく

10分で行ける隣りあう離島なのに例えるならまるで別人。瀬戸内海・弓削島と佐島に感じた個性の違いとは?

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唐突だけど、この写真に島はいくつあるでしょう? (ヒント:瀬戸内海の弓削島にある久司山の展望台から西北西を撮影) 瀬戸内海の離島の数は大小あわせて約700。紙をしいたようなおだやかな海に、まんじゅうのような島がぽこぽこ海から顔を出している風景は、まさに多島美。 こんなに近くに島々が並んでいるので以外に思うかもしれないけれど、島に訪れたとき島ごとに異なる個性のようなものを感じます。 弓削島のすぐ隣りにあるのは佐島。佐島と弓削島は、橋でつながっています。佐島の集落から弓削島の下弓削集落まで自転車で約10分。こんなに近いのに、あれっなんか違うな、と感じるのです。 佐島の集落 弓削島の下弓削集落 佐島の人口は弓削島に比べてぐっと少なく、集落は瀬戸内海の海のようにおだやか。弓削島は都会。コンビニなんていうのもあります。といっても、弓削島の人口は約3千人なのだけど。 弓削島を歩いていると、すれ違いざまに若者があいさつしてくれました。島にある商船高等専門学校の学生さんかもしれません。 立ち寄った商店のおばちゃんの「どこから来たの?」からはじまったおしゃべりはなかなかつきません。 お好み焼き屋に入ったら常連らしき方々がおしゃべりで盛り上がっています。しばらくしたら、おしゃべりの輪に入れてくれました。 そんな佐島の印象は、小学校2年のとき、となりの席だったおとなしいあの子。そして、弓削島の印象は、中学2、3年のとき同じクラスのおしゃべりが楽しくて、元気なあの子。 いまはどんな風になってるのかな。 --- Do you think there are how many islands in this picture? (Hint: I took the picture at Mt. Kushi's observatory in Yugeshima in Setonaikai.) The number of islands (including big and small) in Setonaikai is about 700. It's said that the landscape is 'Tatobi' from japanese. The meaning of Ta

「じょんのび」と過ごし教えてもらったかやぶき屋根が残っている理由。かやぶきの里、新潟県・荻ノ島。

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リフレッシュのために旅をしたけど、予定を詰めこみすぎてしまったということはありませんか? せっかく来たのだから。。。と、したいこと、行きたい場所をどんどんとつめこんでしまうことがあるかもしれません。 今回、ご紹介するのは、かやぶき屋根の小さな農村集落、荻ノ島への訪問記。集落のかやぶき屋根を数十年守られている春日俊雄さん(以下、春日さん)に集落を案内していただきました。 新潟の方言に「じょんのび」という言葉があります。ゆったり、のんびり、芯から気持ち良いという意味。かやぶき屋根に滞在し、囲炉裏で火を囲み、自然を感じつつ、集落でのんびり過ごしていると、じょんのびした気持ちになりました。気づくと何かに追われているかのような普段の生活から解放され、自分に向き合う時間がもてたよう。 環状になっている道をゆっくり散策します 小さな神社 荻ノ島は、新潟県柏崎市高柳町にあります。山あいにある田んぼを囲んだ環状に民家が並ぶ環状集落で、一周は約800m。かやぶき屋根の数は少なくなってきていて、現在約10棟なんだそう。 集落をのんびりと、風を感じながら散策すると、かやぶき屋根の民家だけでなく普通の家があったり、小さな神社があったり、地域の人々が集う集会所があったり。 決して豊かではないこの土地の暮らし。人々が工夫し、助け合いながら暮らしてきた形が、環状集落という形になっているのだそう。 観光というより、かやぶき屋根があり、自然に囲まれ、人々が助け合う田舎の暮らしがそこにあります。 まだまだ雪が積もっています 用水路からは流れの音が聞こえます 田んぼの雪がとけてきて土が顔をだしています 訪れたのは、3月中旬。あたりにはまだかなりの積雪。田んぼには灰がまいてありました。雪が早く溶けるための知恵なんだそう。田んぼのわきにある用水路から静かな流れの音が聞こえ、灰がまかれた田んぼでは雪がとけだし、田んぼがすこし顔を出していました。もうすぐ春です。 滞在したかやぶき屋根の宿泊施設「荻ノ島 かやぶきの宿」。囲炉裏を囲み、ゆっくりと過ぎていく時間の中で過ごします。 荻ノ島を守る活動をはじめたときにつくったポスターを説明してくれる春日さん ところで、日本に昔はもっとあっただ

都市の日常風景の中にさりげなく歴史がある。大都市ブルノを街歩き。チェコ旅徒然日記 8

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チェコは大きく2つの地域、ボヘミアとモラヴィアに分かれます。モラヴィア地方の中心であり、チェコ第二の都市であるブルノ。果たして、ブルノはどんな町なのでしょう。今回は、ブルノを街歩きしてみます。 シュビルベルク城から朝日が射す街の風景 クレーンやビル 聖ペテロパウロ大聖堂 高台にあるシュビルベルク城に登ると、そこから町を一望できます。ランドマークの聖ペテロパウロ大聖堂の横に、都市だなと感じるビルやクレーンが建っています。 シュビルベルク城のまわりは、静かな公園になっていました。 旧市街には、歴史がある建物が並んでいます。観光する人が多いのかな?と思われるかもしれません。でも、歴史がある建築に入っている店舗は、どちらかというと普通の都市にあるような店舗。街を歩いて感じるのは、日常。上の写真をよく見るとマクドナルドがあります。 他にはどんな店があるのでしょう。見つけたのは、本屋。日本の紀伊国屋のような大型の本屋ではなく、ちいさな本屋さん。 電気パーツ屋なんてのもありました。とあるショーケースに並んでいたのはコネクタ。しぶいです。ショーケースにコネクタが並んでいるのは、秋葉原でもあまり見かけないような気がします。 旧市街には大きな広場がありました。自由広場です。そばには、重厚な塔が目をひく旧市庁舎があります。 旧市街の外を少し歩いてみましょう。新市街には、新しい建物が並んでいたり、カラフルな建物があったり。 最後は、ブルノの町にバスで訪れたときにひときわ目をひくのが、聖ペテロパウロ大聖堂。 ブルノでは、歴史的な建築が並び中世の趣を感じるというより、都市の日常風景の中にさりげなく歴史を感じました ------------------------------------------- ※Twitterにて、ブログ更新情報をお知らせ致します。 Twitter(お気軽にフォローどうぞ) http://twitter.com/momoyururi ※Instagramにて、「気になる日常的旅写真」を紹介しています。 Instagram(お気軽にフォローどうぞ) http://www.instagram.com/