人口27人の島の日常風景と石垣の集落と竜王山の山登りと。香川県高見島



(この記事は、2018年3月の訪問記です)

人口わずか27人(H27国勢調査)。

香川県高見島。高見島はこんもりとした小山が海に浮かんでるような島。山の斜面には石垣の集落がひろがっています。

3月の春の陽気が心地よい平日に高見島を訪れました。至る所に桜が咲いていたり、すれ違う島の人が話しかけてくれたり。

そんな高見島訪問記を以下のトピックでご紹介します。

  • 人口27人の島の日常風景を知りたい。
  • 石垣の集落はどんな感じ?
  • 竜王山の山頂からの眺めはどんな感じ?

高見島の日常風景を垣間見た集落歩き

港のそばの花壇の手入れをする島の人たち

港のそばが終わったら別の場所で

多度津港を出港して25分。高見島の港に到着した小さな船から降りたのはわずか数人。

港に降り立ち、船が行ってしまうと、春のやわらかい日射しのなか、聞こえてくるのは鳥のさえずりだけ。

すると、何やら向こうに人が集まっています。島の人たちが、花壇の手入れをしていました。チューリップがとてもきれい。

「今日は山に登るの?」と話しかけてくれました。

井戸端会議


ひものづくり?

集落を歩いてみましょう。通りでは井戸端会議をしています。ひものをつくっているのでしょうか。魚の入った網が風に揺れています。



両墓制の墓地

集落の端まで行くと、そこは、たこつぼと墓地。

高見島を含むこのあたりの地域の墓地には両墓制という風習があるんだそうです。両墓制とは、遺体を埋葬する墓と墓参のための墓を分ける制度。つまり、1人に2つのお墓があることに。1つは普通のお墓のようだけど、もう1つは石が積み上げられています。

はじめてみる光景だったので、感心しながら墓を眺めていると「そんなの何が楽しいの?」と通りすがりの地元の人が笑っていました。

時が止まっているかのような石垣の集落






次は、石垣の集落です。石垣の集落は、港のそばの集落のすぐそば。山の斜面に造られた路地や階段が迷路のようになっていて、路地や階段沿いに民家が並んでいます。しかし、集落全体には、人の気配が全くありません。人は住んでいなさそう? です。

集落全体がひっそりとしていて、まるで時の流れが止まっているかのよう。




誰もいない集落に、満開の桜。きれいだけど、さみしい気もします。

路地に寅さんの映画の案内板がありました。高見島では、寅さんの映画のロケがかつてあったんだとか。

案内板にはそのときの様子が紹介されています。セピア色に変色した写真から、映画の撮影はかなり昔かと思ったら、H5年ロードショーの第46作とのこと。わりと最近だったんですね。

撮影のあった20年くらい前は、石垣の集落も賑わいがあったのでしょうか。

路地が草に覆われている

民家の壁につたが

石垣の集落の端まで行くと、草木が民家や路地まで侵食していました。まるでラピュタの世界のようです。路地や壁や建物といった人造物は、いつかは自然に還ってしまうのでしょうか。

竜王山に山登り


次は、高見島の山に登ってみましょう。高見島の山の名は、竜王山。

登山道は2ルートあります。石垣の集落から竜王山に向かって右側の登山道から登り、向かって左側の登山道から集落に降りるというルート。両ルートとも登山道の入り口は、石垣の集落にあって、登山道の入り口に案内があります。


右側の登山道は左側の登山道に比べ、距離は長いけど斜度は緩やか。そんなに高い山ではありませんが、登山道はわりと急峻なのでサンダルとかは止めましょう。ちなみにぼくはスニーカーです。

竜王山山頂から粟島のながめ

登山道の途中で広島のながめ

石垣の集落も人の気配はなかったけど、竜王山も同じく人の気配は全くありません。森を抜ける風と、鳥のさえずりだけが聞こえます。

登山道の途中や山頂に展望台があって、そこからの眺めは抜群!  広島、小手島、佐柳島、粟島などを望めます。

最後に


島の人とのちょっとしたふれあい。きれいに手入れされた花壇。時が止まってしまったかのような石垣の集落。誰もいないしんとした竜王山。

何かがつまっていた心にぽっかりと余白ができたようでした。

ふらっと立ち寄って観光されてみてはいかがでしょう。

高見島の情報

  • 高見島へのアクセス。香川県多度津港から船で約25分。片道490円。JR多度津駅から多度津港まで徒歩約20分。
  • 船の案内: http://www.sanyo-kisen.com/company13.html
  • 売店はありませんでした。訪問されるときは水分、食料などを持参された方がいいでしょう。港にきれいなトイレがありました。

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