心にいつのまにかおおいかぶさっていたフタがすっととれたよう。 チェコ旅徒然日記 番外編1


ドミトリーでのとある夜。

ロシア人の旅人さんは、静かにソファーに座って本を読んでいる。

イラク人の旅人さんがこの街に滞在している理由は、「環境を変えるため。」なのだそう。彼は自分でつくった夕食をテーブルに並べている。僕が知らない料理が盛られた皿に興味津々になる。

スペイン人の旅人さんは、僕の顔をみるなり日本語で話しかけてきた。
「日本人?」
「この町で日本人は珍しいよ。」
彼が達者な日本語を話す理由は、日本の大学で働いているから。大学は立命館とのこと。彼の日本語は関西弁。この街には友達に会いに来たんだとか。思いがけず日本語を話すと、お菓子をもらったようなちょっとうれしい気持ちに。

メキシコ人の旅人さんは、フロアに響きわたる馬鹿でかい音量で音楽を流しながら鼻歌まじりでシャワーを浴びている。そんな彼はすごく礼儀正しくて、ぜんぜんにくめない。そんな彼のふるまいに僕は、自分が好きなように、したいようにすればいいような気がしてくる。

普段、日本で生活して出会わない人たちに出会う。この部屋にいる人たちの背景はまったく異なっているだろう。でも、一晩だけかもしれないけど、ひとつ屋根の下で寝るので、何となくお互いを気にはしているよう。

この部屋は、普段とは異なる環境。町やこの部屋にいる人々は何のしがらみもない。ここに身を置いていると、気持ちは解き放たれ、心にいつのまにか覆いかぶさっていたフタがすっととれたように感じた。

チェコ、ブルノにて。

-------------------------------------------
※Twitterにて、ブログ更新情報をお知らせ致します。
Twitter(お気軽にフォローどうぞ)
http://twitter.com/momoyururi

※Instagramにて、「気になる日常的旅写真」を紹介しています。
Instagram(お気軽にフォローどうぞ)
http://www.instagram.com/momoyururi/

※写真の無断使用はご遠慮願います。
写真をご希望の際は、ご連絡くださいますようお願い申し上げます。



このエントリーをはてなブックマークに追加