【インド紀行文3】夜行列車の座席を1クラス変えるだけで、まるで異なる世界に飛び込めた


実は鉄道大国でもあるインド。

インドでは、広大な大地に点在する都市を結ぶ鉄道網が発達しています。都市と都市の間の距離は離れていて、高速鉄道が無いので、夜行列車が走っています。

夜行列車の座席には、様々なクラスがあります。様々なクラスの中のSLクラス、3Aクラスは、ともに3段寝台ベッドのクラス。違いはエアコンの有り無しだけ、のはず。しかし、SL、3Aクラスでは、まるで異なる別世界がそこにありました。

今回、SL、3Aクラスの違いを以下のトピックでご紹介します。

  • SLクラスは、バーゲンセールのように列車に人が乗り込む
  • SLクラスの人たちが繰り広げるドラマ
  • 少し平和が訪れた車内
  • そうして、また演劇でも見ているかのような世界になった
  • 3Aクラスはゲストハウスのような空間

SLクラスは、バーゲンセールのように列車に人が乗り込む


夜行列車に乗車するため、訪れたニューデリー駅のプラットホーム。すでに列車はホームに入線していました。ホームは、とにかくすごい人だかりです。

夜行列車が乗客を乗せる準備が整い、扉が開きました。ホームにいた人々が一気に扉に群がります。席を予約しているはずなのに、なぜそんなに焦るのか全く理解できません。

とにかくその雰囲気は、バーゲンセールに群がるおばちゃんのよう。

SLクラスの人たちが繰り広げるドラマ

今回利用するのはSLクラス。SLクラスは、3段ベッドが向かい合う部屋のような構造。すなわち、一部屋に6つの寝台ベッドがあるイメージです。寝るまでの間は、一番下のベッドに乗客は座ります。

列車の出発を待っていると、私を含めて6人が着席しました。定員です。しかし、なぜか、まだ部屋に続いて入ってくる人たちが...
「あれっ、定員6人ではないの?」
定員なんてものは存在しないのでしょう。当たり前という感じで、後から来た人は席に座るのでだんだん身を寄せ合って座る感じに。

ところで、乗客が持っている荷物は、引っ越しでもするかのような大きさです。そんな大きさの荷物を置くスペースはありません。すると、口論というか、喧嘩がはじまりました。
「おまえの荷物どけてくれ!おれのが置けない!」
「後から来たんだからだめだ!」
みたいな感じで。喧嘩のような、口論の結果、どうにかして荷物を置くことができました(荷物を積み木のように重ねることに。とても危なっかしい)。

果たして、列車が出発するころには、部屋に着席している人の数は、10人オーバーです。

少し平和が訪れた車内



アナウンス等何もなく、静かに動き始める列車。

先ほどまで、喧嘩していた人たちは、何事もなかったように、楽しそうにおしゃべりしています。インド人は根に持たないのでしょうか。青年とその母親の二人組とぼくはおしゃべり。隣に座っている人が「お前も食え!」という感じで、お菓子をくれました。

SLクラスを利用している人たちは、とにかくパワフル。主張することは、しっかり主張する、生きるためのパワーに溢れています。

そうして、また演劇でも見てるかのような世界になった

そうして、訪れた平和な世界ですが、SLクラスはそんなに甘くはありませんでした。

売り子の兄ちゃんは、さっき大きな声をあげて通路を通り過ぎたと思ったら、またすぐ来るといのをずっと繰り返し。

神の化身と呼ばれている(インド人がそう言っていた)豪華な衣装と化粧をした人が、席に来て、お祈りと寄付を要求してきます。

エアコンがないので、全開にされた窓から吹き込む風とほこり。列車が駅に着く度に、全開の窓に手を差し伸べて物を売る売り子。

3Aクラスはゲストハウスのような空間


3Aクラスにも乗りました。

3Aクラスのプラットホームに人だかりはなく、乗車もスムーズ。

3Aクラスは、SLクラスと同様な構成。すなわち、3段寝台ベッドが向かい合う6人部屋です。違いは、エアコンが有るだけのはず。

列車が出発するとき、同室の人数は、なんと6人。まさかの定員通りです!

同室の人は、イギリス人2人、中国人、アメリカ人、カナダ人。全員旅人です。どこをこれまで旅したとか、どんな暮らししてるのかといった国際交流をします。

3Aクラスは、あたかも、おだやかに国際交流を楽しむゲストハウスのよう。

最後に




SLクラスは、都市の混沌としたストリートのよう。
3Aクラスは、ゲストハウスのよう。

この他にも、列車には、様々なクラスがあります。あなたのお好みのクラスで、列車旅をしてみてはいかがでしょうか。

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