小さな離島でみつけた島独特の食文化。愛媛県津和地島


離島の旅といえば、青い海と白い砂浜、いわゆる、リゾートのようなものをイメージする方も多いかもしれません。

小さなこの島には、青い海と小さい砂浜はありますが、いわゆるリゾートといった観光的なものはありません。

ゆったりとした時間が流れ、自然と暮らしの間に境目がなく、それらがゆるやかにつながってるよう。そして、小さな島であるにもかかわらず、島独特の文化をみつけました。

ゆったりした時間と島の暮らし




島と外をつなぐ唯一の接点は、津和地漁港。
港を中心とした小さな集落があり、人々はそこに暮らしています。



お昼寝

島を訪れたのは5月。

暑くもなく、寒くもなく。
心地よい日差し。
集落のすぐ後ろに裏山があり、裏山から聞こえてくるウグイスの鳴き声。
肌に感じる心地よい潮風。

そんな雰囲気の中で、おじいちゃんが昼寝をしています。

集落からは緑が見えます

海と裏山に挟まれた小さな平地に、家々が密集している集落。
家々の壁は、木の板であり、板を焼いた黒い色をしていて、裏山の新緑とのコントラストがあざやかです。

港付近の海

玉ねぎの天日干し

古民家に玉ねぎ


集落をぶらぶらしていると、玉ねぎを天日干ししている風景を、あちこちでみかけます。
柑橘系が島の特産ですが、意外にも、玉ねぎもこの島の特産の一つなんだとか。

忙しそうに働いています


玉ねぎを出荷するため、泥を落としているおばちゃん。
「忙しい忙しい。」と笑います。

たこつぼ

海藻を干しています

玉ねぎを運ぶ

漁の準備


たこつぼ、海藻干し、漁の準備。
島の暮らしを垣間見ることができます。

集落を一望

段々畑がある

集落は、海と裏山がつながっているよう。

絶景ベンチ



集落がある港から歩き、島の反対側まで来ると、人気がまったくありません。
行き止まりがあり、そこにいきなりあらわれたのはベンチ。
ここからの眺めは、まさに絶景!

宿では鯛尽くし

ふくやさん。鯛めし。今日は大きな鯛が手に入ったので、出してくれました

ふくやさん。鯛さし

島では、鯛もよくとれるそう。
今回の旅で宿泊したふくや旅館では、鯛めし、鯛の刺身などを食べることができました。

小さな島でみつけた島独特の食文化


フェリー切符売り場に立ち寄ると、地元の小学生が書いた島案内がありました。
そこに「津和地うどん」なるトピックが記述されています。
果たして、津和地うどんとは何でしょう。

切符売り場のお兄さんに聞いてみます。
「津和地の人が良く食べるうどんですよ。特にすごいことは何もありません。」
”うどんはどこかで食べれますか?”
「食べるとこはないですよね。」「うどんは、JAに売っています。」

津和地うどんを求めてJAに


”すごいことはない”と言うけど、この小さな島に特有のうどんがあるのでしょうか。
気になるので、早速、JAに行ってみます。

JAに入ると、店は開いているようだけど、店内に誰もいません。
いかにも島らしいなと感じつつ、津和地うどんを探します。
”田舎うどん”という銘柄の熊本産のうどんはありますが、津和地うどんはみつかりません。
そうこうしていると、女性が外から帰ってきました。

「津和地うどんというのは、置いてありますか?」
「あー、それですよ。」と、”田舎うどん”を指さす。
てっきり、津和地産のうどんだと思っていたので、少々拍子抜け。

島独特の食文化である津和地うどん


「津和地うどんは、汁は少なめ。松山産のあげや、練り物を入れて、煮込むんですよ。
それを、いっぱい作って、みんなで食べるんです!」
「昔は、葬式を2,3日ぶっ通しでやってて、島の人が集まり、みんなでやってたんですよ。そういうときに、出てくるのが津和地うどんです。」
「今は、そういうスタイルの葬式はしなくなったけど、人が集まるときには、今でも津和地うどんが出てきます。」
「そうそう、小学校の給食にも、津和地うどんは出てくるんですよ。」

津和地うどんは、なんで熊本産の田舎うどんを使うのでしょう。
「太さと、こしとかが、これがちょうどいいんです。」

最後に

夕暮れ時
朝散歩

小さなこの島に、リゾートといったいわゆる観光的なものはありません。しかし、のんびりとした時間に、自然と調和した島の暮らしを感じることができました。

今回は、見れませんでしたが、ベンチからの夕日はおそらくすごそう。

この小さな島にある独特の食文化、津和地うどんは、土地で生産されたうどんではありませんが、それが島独特の食文化になっています。

島の小学生は、今年の3月に卒業してしまい、小学生がいなくなったらしい。
4月から小学校は、休校になったんだとか。
いつの日か、小学生が島に暮らし、小学校が復活し、再び、給食で津和地うどんが出せるようになるといいですね。

案内

  • 場所、愛媛県松山市津和地島
  • アクセス、松山市の高浜港、三津浜港からフェリーまたは高速船
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